その数社の値動きが、ETF全体の値動きをほとんど決めるようになります。業種ETFを買っているつもりでも、実際には特定の会社を買っているのに近い状態です。
偏りの大きい業種ETF
17業種ETFの中でも、偏り方は業種によって大きく違います。
いちばん偏っているのは1622(自動車・輸送機)で、2026年7月の有価証券報告書では、トヨタ自動車(7203)1社で5割近くを占めています。1618(エネルギー資源)もENEOSホールディングス(5020)とINPEX(1605)の2社で7割を超え、1631(銀行)は3メガバンクで7割近くです。
反対に、偏りが小さいのは1619(建設・資材)で、最上位の大和ハウス工業(1925)でも1割に届きません。上位10社の顔ぶれと比率は、ETFのページ(1622・1619)に表で載せています。
1622 NF・自動車・輸送機
上位の構成比
- トヨタ自動車(7203) 48.74%
- 本田技研工業(7267) 8.99%
- ブリヂストン(5108) 6.43%
- デンソー(6902) 6.10%
- スズキ(7269) 4.75%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
1619 NF・建設・資材
上位の構成比
- 大和ハウス工業(1925) 6.35%
- 鹿島建設(1812) 6.33%
- 大成建設(1801) 5.27%
- 積水ハウス(1928) 5.23%
- 大林組(1802) 5.12%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
チャートで見る
下のチャートは、1622の週足に、トヨタ自動車の株価を重ねたものです。2本の線はほとんど同じ形で動いていて、1622を持つことが、トヨタを持つことにかなり近いことがわかります。

偏りがあると何が起きるか
1つめは、1社の決算やニュースで、ETF全体が動くことです。1622なら、トヨタの決算や、トヨタに関わる出来事が、そのまま1622の値動きになります。
2つめは、業種の動きとETFの動きがずれることです。自動車業界全体が好調でも、トヨタだけが別の理由で下がれば、1622は下がります。
3つめは、分散の効果が小さくなることです。業種ETFは本来、1社の失敗の影響を薄めるための道具ですが、上位に偏っていると、その効果は限られます。

米国の業種ETFも同じ
米国のセクターETFにも、偏りの大きいものがあります。XLY(一般消費財)はアマゾンとテスラの2社で4割ほど、XLE(エネルギー)はエクソンモービルとシェブロンの2社で4割ほど、XLC(通信サービス)はメタとアルファベットで4割あまりを占めています。
どう使うか
偏りの大きい業種ETFを見るときは、上位の会社のチャートも一緒に見るのが近道です。ETFの動きの理由が、業種全体の話なのか、上位の1社の話なのかを分けて考えられるからです。
私はこう見ています
私は、業種ETFを見るときに、まず上位3社で何割を占めているかを確かめます。3社で半分を超えるなら、その3社のチャートも横に置いて見ています。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。